【文/Discover Taipei】
中華圏の人々は、旧正月の最終日を「元宵節」と呼んでいます。その起源は二千年以上前の中国の前漢 (西漢) の時代にまでさかのぼります。そして後漢 (東漢) の時代になると、仏教を提唱していた皇帝の明帝が、仏教には旧暦の1月15日に火をともして仏に捧げる儀式があると聞き、この日の晩に宮廷と廟に火をともして仏に捧げるよう命じ、貴族や庶民にも提灯を掲げるように命じました。それが徐々に広まり、一大年中行事のひとつになったのです。後に一家団らんして「湯圓」(白玉団子) を食べるようになり、ランタン祭りも開催されるようになりました。現在はそのランタン祭りも規模が拡大し、都会の一大イベントになっています。カラフルできれいなランタンやハイテクを駆使したランタンが、都会の中でキラキラとした黄色い光を放つランタンフェスティバルに足を運び、子どもやお年寄りといっしょにランタンを鑑賞すれば、肌寒い夜の人ごみの中で温かさを感じることができるでしょう。
2014台北ランタンフェスティバル 台北で描かれる幸せ
多くの期待が寄せられている「台北ランタンフェスティバル」には、毎年数十万人を越える人たちが足を運んでいます。ここ数年は地元の人たちに混じって、外国人の姿もよく見かけるようになりました。実際に中華圏の伝統的な年中行事に触れられるということで、どの外国人も興味津々で、期待を膨らませています。今年は2月7日から16日にかけて花博公園で開催されます。
台北市は、「ワールド・デザイン・キャピタル」の誘致に成功しましたが、それにふさわしいように、今年のランタンフェスティバルは、干支である「馬」が勢いよく駆けめぐる姿をイメージして、「活力台北・駆けめぐる夢」をメインテーマに開催され、馬が描かれた中国の名画『八駿図』を発想のテーマにしています。子どもの楽園とアニメキャラクターがデザインの主軸になっている夢幻國度ランタンエリアをはじめ、古風傳唱ランタンエリア、采風ランタンエリア、時光迴廊ランタンエリア、八駿遊蹤ランタンエリア、懷舊童玩ランタンエリアなどがあり、どれもレトロ調で懐かしさにあふれています。また、子どもたちの創意が生かされた全國花燈學生競賽 (全国ランタン学生コンペ) ランタンエリア、在外公館、各地の観光関連団体、企業が制作した大型ランタンが、ランタンフェスティバルに異国情緒をもたらしています。ハイテクを駆使して、古今東西の出来事を題材に制作したランタンが並ぶランタンフェスティバルは、国内外の観光客を楽しませてくれるに違いありません。
ランタンフェスティバルにも若いアートの波 これまでの元宵のイメージを覆す寶藏巖
ちょっと変わったランタンフェスティバルを楽しみたいなら、寶藏巖國際藝術村 (寶藏巖国際芸術村) に足を運んでみてください。2月15日から3月16日にかけて、台湾の8組の現代アーティストにより、ビジュアル、公演、デザイン、建築などが融合した「寶藏巖燈節」(寶藏巖ランタンフェスティバル) が開催されます。従来の壁に囲まれたスタイルを打破し、現代アート作品の展示方式を取り入れ、芸術村全体でランタンフェスティバルが繰り広げられます。
アメリカ在住のアーティストの洪素珍は、メインの赤い線を寶藏巖入口の草地に張り巡らせ、竹を媒材として活用して作品を創りました。赤と緑の強力なコントラストが、自然に語りかけているかのようです。針金を使った突き抜けるような伸び伸びとした表現を得意とする任大賢は、半樓廣場をベースに廃虚と化した家屋にバーチャルな生活空間を創り出しました。寶藏巖の独特な地形と歴史の足あとを垣間見ることができます。また、今回の展示エリアは、萬盛溪 (河川) のそばにまで広がっています。黃蘭雅は、自然界の有機生命体を創作テーマに、鮮やかな彩りの細胞状の生命力あふれる生命体を創作しました。水面で輝く虹のようにファンタジーな光を放っています。
2月15日の開幕レセプションでは、アーティストの陳雪甄を招き、寶藏巖のkw史斷面自然環境劇場で、芝居、雑技、舞踊を融合させた1時間の公演を行います。イギリスのブルネル大学で現代舞台芸術の修士号を取得した陳雪甄は、兩廳院の「新人新視野」の演劇部門の創作者に2度選ばれています。続いてニューヨークで人気のアート集団Improv Everywhereの「MP3 Experimentランタンフェスティバル特別版」が繰り広げられます。観客は事前に「MP3任務」をダウンロードしておく必要があり、開幕当日、時間通りに指令に従って行動を取らなければなりません。ビックリさせないイタズラ、即興パフォーマンス、フラッシュモブなど、独特なアートを取り入れたもので、旧正月に熱いアートの火をともしてくれます。
千年以上続く伝統行事に、台北では無限の創造力が取り入れられ、熱く展開されます。家族や友人に声をかけ、カラフルなランタンに囲まれて新年の願いごとをしましょう。
関/連/情/報
2014台北ランタンフェスティバル
幸福臺北燈海
会期:2月7日02月16日
会場:花博公園圓山エリアおよび美術エリア (台北市立兒童育樂中心、台北市立美術館をのぞく)
住所:台北市中山北路103段(市民大道と中山橋の間)
電話:1999 (台北市外からは02-2720-8889)内線6237
http://www.taipei.gov.tw
2014世界貿易センターお正月用品展
会期:2月15日03月16日
会場:寶藏巖国際芸術村
住所:台北市汀州路3段230巷14弄2号
電話:(02)2364-5313
http://www.artistvillage.org
※英文版:
‧A Sea of Lights, Color, and Warmth –The Joy of Taipei’s Festival Lanterns
【Discover Taipei 2014年1月號】
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